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音楽業界における、ダウンロード数の考察 - 日本の特殊な事情 -
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ちまたでは、“初音ミク”
などというアーティスト(ソフト)が、
密かに世間を賑わせているようですが、
時代錯誤の音楽中毒者には、
そのようなことは関係ありません(笑)。
ツマブログのタイトルではありませんが、
今日も、マイペースでいきましょう……。
……ところで。
宇多田ヒカルが、
複数の楽曲のトータルで、
今年(1月〜9月)だけで1000万ダウンロードを達成したそうですね。
(1000万の内、約3/4にあたる730万6000ダウンロードを占めるのが、
「Flavor Of Life」とのこと。)
すごいですね。
でもこれ。
よく見てみると、
実はちょっとしたカラクリがあるようなんです。
どういうことか?
以前に、「iPod(アイポッド)の新ラインナップ」という記事でも、
ちょっとだけ書いたんですが、
例の、世界にも類をみない、
日本独特の音楽配信形態が、
ここでもまた大きく作用しているようです。
――そう。携帯です。
実はこの、1000万という数字の大半を占めているのが、
携帯によるダウンロード数なんです。
上記、宇多田ヒカルの詳細な内訳は不明ですが、
日本レコード協会の資料によると、
一般的に、国内における、携帯電話向け音楽配信と、
PC向け音楽配信の割合は、
およそ9対1程度の割合で、
圧倒的に携帯の方が多いということです。
そしてこの、携帯向け音楽配信なんですが、
この中には、「着うたフル」だけじゃなく、
フルコーラス聴けない「着うた」や、
「着信ムービー」「メロディコール/待ちうた」など、
一曲通して聴けないものも含まれている、とのこと。
なるほどねぇ。
――となると、もう少し踏み込んで考えてみたくなりますね。
ここから先は資料がないので、
純粋に推察となるのですが、
話をわかりやすくするために、
便宜的に、
「着信ムービー」や「メロディコール/待ちうた」など、
比較的利用頻度の低いと思われるものを除いて考えてみましょう。
するとどうなるか?
単純に考えて、
「着うたフル」よりも「着うた」の方が価格も安く、
尚且つ、
「着うた」は、イントロやサビなど、
一曲をそれぞれ別々のパートに分割して配信しています。
となると当然、
一人で複数のパートをダウンロードするケースも考えられ、
以上のことを考慮すると、
正確な割合は不明ですが、
「着うた」>「着うたフル」
という不等式になるのは、
ほぼ、間違いないものと思われます。
おそらく、相当数が、
「着うた」のダウンロードなんじゃないでしょうか?
しかし、「着うたフル」だけならともかく、
ぶつ切りの「着うた」までダウンロード数としてカウントするのは、
時代錯誤の音楽中毒者の目には、
やはりちょっと、
なりふり構わぬ計数上の戦略に写ります。
何故なら、(個人的見解ですが、)
純粋に楽曲を堪能する目的で購入する「着うたフル」と、
“着信音”として気に入った音を使いたい、
という目的で購入する「着うた」は、
その性質上、
異なったものであるように思えるからです。
景気の良い数字の裏で、
ぶつ切りの「着うた」さえ、
一曲としてカウントせざるを得ないほど、
音楽業界全体が疲弊しているのか?
そう思うと、いち音楽ファンからすると、
ちょっぴり寂しい気がします。
それはともかく、
ついでなので、
この際、もう少し勝手な推測を続けてみましょうか。
――では、携帯電話によるダウンロードが圧倒的に多い、とすると、
この1000万ダウンロードを牽引しているのは、
一体どういった層なんでしょう?
パソコンを持っていない人?
デジタル・オーディオ・プレイヤーを持っていない人?
日常的に携帯をよく使っている人?
PCはあるけど、クレジット・カードを持っていない人?
(PCによるダウンロードは、基本的にカード決済なので。)
千数百円の、
カップリング曲とコミコミのシングルCDより、
シングル曲だけを選択的に聴く方が得だ、と思う人?
それとも、捨て曲の多いCDアルバムを購入するより、
メジャーな、よく知ってる曲だけあればいい、と思う人?
(……これは、PCでダウンロードする人にもいえますね。)
あるいは、ほんとはレンタルで済ませたいんだけど、
それだと、愛用の携帯電話に落とせない、という人?
……ふむ。
では、上記のような条件にあてはまる購買層って、
いったいどんな人達なんでしょうか?
……そうですね。
答えはひとつ。
流行りものに敏感で、
携帯使いの達人で、
金銭的にそんなに余裕がなく、
しかも、一般的にクレジットカードを持っていない。
――ティーンエイジャー。
いわゆる、中高生、ですね。
すると、結論としてこんなことが言えるんじゃないでしょうか?
……以上のようなことから、
宇多田ヒカルの、1000万ダウンロードという数字の多くは、
ティーンエイジャーの、意志と、行動の反映である、と――。
……そういえば、
今、ふと思い出したんですが、
ティーンエイジャーといえば、
2006年、フランツ・カフカ賞を受賞し、
ノーベル文学賞候補にも名前のあがる作家、
村上春樹は、
小説「ダンス・ダンス・ダンス」
の中で、エイティーズの様々な洋楽アーティストを列挙した後に、
主人公にこんなことを語らせています。
――ティーンエイジャーから小銭を巻き上げるための、
大量消費音楽……。
非常に示唆的な言葉ですが、
まぁ僕としては、そこまでは思いません。
大量に消費される、
いわゆる、“流行りもの”の音楽の中にも、
良いものが存在することは確かだと思うし、
まぁ、ティーンエイジャーなら誰もが通る、
耳が肥えるまでの、
通過儀礼みたいなもんじゃないでしょうか?
村上春樹だって、作品の中ではちゃんとフォローしています(笑)。
――いつの時代も、同じようなものだ、と。
それはともかく、
時代錯誤の音楽中毒者としては、
着うたダウンロード数も、
アーティストの人気を示す、
ひとつの指標であることは間違いないので、
“着うた”を含めた1000万ダウンロードもいいとは思いますが、
それよりもむしろ、
着うたのダウンロード数や、
大手レンタルCDショップなどの大量仕入れによる売上げを除いた、
(※注、オリコンなどのランキングでは、
こうした特殊な事情の売上げは集計から除外され、
チャートには反映されないようになっています。念の為。)
純粋な、各年代別の総売上げランキング、
――例えばR30ランキングとか、――を見てみたい。
そんな気がします。(どこかにあるのかもしれませんが。)
ひょっとすると、
今までとはガラリと違ったランキングになるかもしれず、
これはちょっと、興味のあるところです。
……どこかに、
そういったランキングがあるのをご存知の方は、
是非教えて下さい(笑)……。
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- [2007/10/16 23:29]
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